ggplot2 で地図を描くとき sf 以外のオブジェクトも簡単に扱えるようになったので試してください

少し前、 ggplot2 の開発版に Claus Wilke が半年くらい開発していた pull request がマージされ、sf 以外のオブジェクトを簡単に扱えるようになりました。

しばらくリリースはないんですが、内部的にはけっこう大きな変更だったので、 ggplot2 を地図を描くのに使っている方はぜひ試してみてフィードバックをください(GitHub に直接でも、私に Twitter ででも、r-wakalang ででも)。

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dplyr 1.0.0 を使ってみる: summarise()

dplyr 1.0.0 がリリースされてもう1ヶ月。日本語でもちらほら紹介のブログ記事やスライドが出てきています。

が、意外と summarise() の挙動変更に触れたやつないなと思って、軽く紹介します。 ちなみに、この記事で取り上げた quantile() の活用例は公式ブログに載っているものです。英語が苦でない方はこっちを読んだほうが早いかもです。

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メモ:nannou で素の lyon と wgpu-rs を使って描画する

nannou は Rust 製のクリエイティブコーディングフレームワークです。lyon は 2D グラフィックスのための tessellationのライブラリ、wgpu-rs は WebGPU を使うためのライブラリです。この 2 つは nannou の中でも使われているもので、黙っていれば nannou がすべて面倒を見てくれます。今回はそれをあえて使わずに素の lyon と wgpu-rs を使って図形を描画してみます。

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nalgebra の Point や Vector を nannou の Point や Vector に変換する

nannou は cgmath というライブラリを使っていますが、 nalgebra の方が人気でドキュメントが多いのでそっちから入門するのが楽そうです。しかし、 nalgebra と cgmath は当然使ってる型が違うのでなんらかの変換が必要になります。どちらも内部的には array なので、それを取り出して型だけ変換すればいいみたいです。

Vectorの方は単純にこんな感じでいけました。

    let v_na = nalgebra::Vector3::new(1.0, 1.0, 1.0);
    let v_array: [f32; 3] = v_na.into();
    let v: nannou::geom::Vector3 = v_array.into();

一方で、Point も同じ感じでできるかとおもいきやこれはエラーになります。

    let p_na = nalgebra::Point3::new(1.0, 1.0, 1.0);
    let p_array: [f32; 3] = p_na.into();
    let p: nannou::geom::Point3 = p_array.into();

これはコード自動生成がうまくいってないせいらしいんですが、ちょっとissueを読んでもよくわかりませんでした。

なのでこんな感じで、原点からのベクトルに直すと変換できるようになります(が、もっといい方法あるんでしょうか...?)

    let p_na = nalgebra::Point3::new(1.0, 1.0, 1.0);
    let v_array: [f32; 3] = (p_na  - nalgebra::Point3::origin()).into();
    let v: nannou::geom::Vector3 = v_array.into();

メモ: nannou と行列計算

「Rust 行列計算」とかでググると、主に nalgebra と ndarray という Crate が引っかかる。どうやらこれが二大巨塔っぽい。

しかし、nannou が使っている Crate はこれではなく、 cgmath というやつらしい。

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Processingとnannouの違いについてのメモ(2)

Rectを頂点から定義する

前回書いたように、Rectは中心の座標と高さ、幅で定義できます。とはいえ、頂点の座標でやる方法もなんかあるのかな?と思っていたら、

let r = Rect::from_corners(pt1, pt2);

という感じで2つの頂点からつくることもできました。

あと、各頂点の座標を取るには、corners() とか corner_at_index() とかいうメソッドがあったので、ある四角形と隣接する四角形を描画するには、

// 左上が 0 でそこから時計回り
let pt1 = r1.corner_at_index(0);

// 四角形の辺の長さ
let w = 100.0;

let pt2 = pt1 + vec2(w, w);

let r2 = Rect::from_corners(pt1, pt2);

みたいな感じでも書けます。

キャンバスを回転縮小させる

Drawrotate()とかscale()みたいなメソッドが生えているので、

fn view(app: &App, model: &Model, frame: Frame) {
    let draw = app.draw().rotate(model.rotate).scale(model.scale);

    // ...snip...

    draw.to_frame(app, &frame).unwrap();
}

みたいな感じでやればいいみたいでした。ちなみに私はこの使い方を勘違いして、⇣で「動かない...」と悩んでいました(恥)

    let draw = app.draw();
    draw.rotate(model.rotate);
    draw.scale(model.scale);