ISBA、NIPSであったハラスメントの告発についてのメモ

なにはともあれ、まずはこれを読んでください。

告発されているハラスメント加害者は2人です。

もちろん、シロかクロかはこのブログ記事ひとつで決まるものではありません。今後の調査を待つ必要があると思いますが、複数の証言があるようなので信憑性は高そうです。

Bradley P. Carlin

Carlin教授は、上のブログ記事には一言も名前は書かれていないんですが、この話題がバズったのを受けて、自分からFacebookで「あれは自分だ」と名乗り出て(NIPSであったほうだけですけど )明らかになりました。 その上で、「いや、たしかにあのブログ記事だけ見ると俺めっちゃ悪い感じするけど、そんなことないよ? 文脈大事だよ?」と言い訳をしたものの、

その時送信していたFacebook messageという「文脈」を晒されて撃沈しています。ため息しか出ない。

「S」(Steven L. Scott?)

「S」が誰を指すのか告発者は明らかにしていませんが、どうもこれはGoogleのAI研究者・Steven L. Scott氏ではないかと言われています。

実際、冒頭のブログ記事でもGoogleの関係者であることが仄めかされています。

At JSM (another stats conference) a few years later at the Google reception, S was standing right behind me talking loudly

界隈の対応

ISBAは即座に声明を発表していて、動きが速いです。

Googleも調査をはじめているということです。

ということで、事態はおおむねいい方向に向かっているように思えます。

参考:ハラスメントへの対処に失敗したTorコミュニティとDJB

技術コミュニティ内でのハラスメント、ということについて私がやや敏感になったきっかけは、ハラスメントに対する対処を間違えた例を半年前に見たからです。 以下のブログ記事は、暗号界隈で将来を期待されたJacob Appelbaum氏が起こしたハラスメントを、著名なDaniel J. Bernstein(DJB)氏やTanja Lange氏が野放しにした、という告発です。何度でもいうけど、DJB、ほんとがっかり。

こんな風に、ハラスメントを告発するということ自体がすごくエネルギーがいることなのに、告発しても技術コミュニティが正しく対処できるとは限らないのです。 それはほんとうに残念だし、怖いことだと思っています。

個人的な思い

翻って、自分が関わっているコミュニティ(例えばTokyo.R)はどうなのか。 そこで起こったハラスメントが告発されたとき、自分は正しく動けるだろうか。 あるいはひょっとして今もハラスメントがあるけど気づけていないだけなのではないか。

みたいなことがなんか気になっちゃうんですよね。考えすぎやな、とは思いつつ。

対岸の火事だと思わず、学ぶべき教訓を学んでいきたいです。

*1:ベイズ統計の国際大会、2012年は京都であったやつです